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宮島の古刹「大聖院」を五感でめぐる。歩いて、触れて、祈る特別な体験/大般若経筒・戒壇めぐり・遍照窟・一願大師

#一度は訪れたい名建築 #五感の記録 #建築 #歴史

日常の忙しさを離れ、心をリフレッシュしたくなることはありませんか?

嚴島神社の奥に佇む大聖院は、1200年以上の歴史を持つ宮島の古刹。静かな境内を歩いていると、自然と気持ちが落ち着いていきます。

お寺の中には、回すことで功徳が得られる「大般若経筒(だいはんにゃきょうづつ)」、暗闇の中を歩く「戒壇(かいだん)めぐり」、四国八十八ヶ所霊場を巡ったのと同じご利益があるとされる「遍照窟(へんじょうくつ)」、そしてたった一つだけ願いを叶えてくれる「一願大師(いちがんたいし)」があります。

歴史ある寺院を歩きながら五感をひらき、自分自身と静かに向き合う。大聖院で、心に余白をつくる時間を過ごしてみませんか。

運気を上げながら階段を上る――
大聖院の参道を彩る「大般若経筒」

仁王門をくぐり、本堂へ続く階段の傍らに並ぶ「大般若経筒」。金色の筒には、仏教の経典『大般若経』が納められています。

一生をかけても読みきれないほど膨大なお経ですが、筒を一つずつ回すことで、経典を読んだのと同じ功徳が得られるとされています。

指先で筒に触れ、ゆっくりと階段を上る。小さな動作を重ねるうちに、心まで少しずつ整っていくようです。

大般若経筒

一寸先も見えない暗闇へ――
宮島・大聖院「戒壇めぐり」で五感を研ぎ澄ます

階段を上りきると、観音堂の地下にある「戒壇めぐり」へ。

一歩足を踏み入れると、そこは一寸先も見えない暗闇。仏様の胎内をイメージした空間を、壁に手を添えながら慎重に進みます。

視界を閉ざされると、手の感触や足音など、普段は意識しない感覚が際立ってきます。

やがて暗闇の先に、光に照らされた観音様の姿が浮かび上がります。それは、悩みや不安の中にいても仏様が導いてくれる、という教えを表したもの。

奥にある錠前に触れることができれば、仏様とのご縁を結び、ご利益を授かるとも伝えられています。

戒壇巡り入口

幻想的な灯籠の光に包まれる
宮島・大聖院「遍照窟」と四国八十八ヶ所

戒壇めぐりを終え、境内の奥にある大師堂の地下へ。そこに広がるのが「遍照窟」です。

天井を埋め尽くす灯籠がやわらかな光を放ち、四国八十八ヶ所霊場の本尊が静かに並びます。その足元には、それぞれの札所から集められた砂が敷かれています。

大聖院は、四国八十八ヶ所霊場を開いた弘法大師・空海が修行したと伝わる、四国遍路とも縁の深い寺院です。

砂を踏みながら仏様を一体ずつ巡ることで、四国八十八ヶ所をお参りしたのと同じご利益を授かるとされています。

灯籠のあたたかな光の中を静かに歩く時間。宮島にいながら、お遍路の祈りに触れられる場所です。

遍照窟

宮島でたった一つの願いを込めて――
大聖院の願掛けスポット「一願大師」

遍照窟を出たら、大師堂の裏手へ。

そこに静かに佇むのが「一願大師」です。その名の通り、「たった一つ、心からの願いを叶えてくれる」と親しまれています。

普段は、ついあれもこれもと願ってしまうもの。それでも大聖院をゆっくり歩き、心を整えたあとなら、自分にとって本当に大切な願いが見えてくるかもしれません。

一願大師の前でそっと手を合わせ、ただ一つの願いを心に浮かべる。

大聖院を巡る旅の最後に、自分自身の心と静かに向き合う時間が待っています。

一願大師

【DATA】
大聖院
住所/広島県廿日市市宮島町210
TEL/0829-44-0111

Text

MIYAJIMA NOTE 編集部

宮島を歩き、心が動いた風景や出会い、地域に息づく文化を取材。 観光情報だけでは伝わらない、その土地の空気や時間を旅の記録として届けます。
Photographs

TAKANOBU HASHIMOTO

カメラマン。広島県広島市出身。フォトグラファーである父に誘われ、写真業界に飛び込んで20年目。主に広告、建築、料理、ポートレートを撮影。大の宮島好き。宮島の対岸にある高校(宮島工業)に通っていたこともあり、学生の頃から宮島にはよく入り浸っていた。趣味は写真、音楽、スポーツ観戦、観葉植物。